- 多くのサーファーが愛してやまない九十九里浜。
今、この九十九里浜がすごいスピードで減少しているのをご存じでしょうか。
主な原因は国土保全の目的で行った九十九里浜の北側の屏風ヶ浦と、南側の太東崎の崖の浸食対策工事です。
浸食対策工事前は屏風ヶ浦と太東崎の崖が波や風雨による侵食を受け、砂となり、この砂が九十九里浜の砂浜を形成していました。
しかし、1960年代に浸食対策工事が行われ、1970年代頃から徐々に砂の供給が減少し、それに伴い、砂浜も後退をしました。
2015年1月の砂浜幅が1961年7月に比べ、90mほど減った地域もあるとのことです。
また、水溶性ガスの採掘が原因と考えられる、浜の南部を中心に確認されている地盤沈下も砂浜の減少に影響を与えていると考えられています。
護岸工事を行ったことにより崖の浸食を防ぐことで、屛風ヶ浦や太東崎の美しい景観や、崖の上に居住している人々の暮らしは守られたかもしれませんが、九十九里浜全域に見られる砂浜の減少は各方面に多くの影響をもたらしています。
分かりやすいところでは、ウミガメの産卵場所の減少や海水浴場の減少です。
当然、浜が無ければウミガメは産卵できませんし、海水浴場は開設できません。
実際に、工事前には36 箇所あった海水浴場が、2018 年には18 箇所まで減少したというデータもあるようです。
また、浜が無ければ水深6mほどの浅い海域に住むハマグリなどが育たず、潮干狩りが出来ないことによる漁業関係者への影響も出ています。
また、浜は大きな波の緩衝材的な役割があるのですが、浜がなくなることにより、陸地に直接高波や高潮が押し寄せる懸念もあります。
浜がなくなることによる影響はサーフィンにも及びます。
サーフィンが出来るか否かは波がブレイクするか否かで決まります。またサーフィンのやりやすさは波のブレイクの仕方によって左右されます。
波がブレイクするときは、波が水深が浅くなる場所で持ち上がり、進む力と上昇する力のバランスが崩れたときです。
つまり、そもそも、ある程度水深が浅い場所でないと波はブレイクしないということです。
浜がなくなり、水深の浅い場所がなくなると波がブレイクしなくなる、あるいはブレイクの仕方が悪くなるのでいいコンディションでサーフィンすることは難しくなるでしょう。
様々な影響を懸念した県は、2020年7月に「九十九里浜浸食対策計画」を策定し、そのなかで、砂の流出を防ぐための人工岬「ヘッドランド」や沖合への「波消ブロック」の設置、外部からの砂を供給する「養浜」といった対策の実施を行うとしています。
- おわり
浸食を防ぐために設置した屛風ヶ浦と太東崎の護岸。
それにより浸食された九十九里の砂浜。
それを守るために設置するヘッドランドや波消ブロック。
何かを守ろうとすればするほど増えていくコンクリート、、、
そのために使われる税金、、、
付焼刃的な対応ではないのか、、、
はたしてこれが「最善策」なのか、、、
我々サーファーは今後も九十九里浜でサーフィンを行うことはできるのか、、、
色々思うことはありますが、九十九里浜でサーフィンが出来る時代に生まれたことは本当に幸せなことだと思います。
出来るうちに思う存分、サーフィンを楽しみましょう。
BEACHは皆様が思う存分サーフィンを楽しんでもらえるよう、サーフィンスキルの上達を全力でお手伝いさせていただきます。
皆様のスクールへのご参加、お待ちしております~!